↓メッセージが聞けます。

主にある兄弟姉妹の皆さん、おはようございます。新型コロナの感染が出始めてから約1年がたとうとしています。新型コロナは経済にも、また私たちのメンタルの部分においても打撃を与えています。孤独を感じ、気分が落ち込む人、自殺も増えているようです。
人との繋がりが絶たれ、孤独になる時に人間は辛さ、苦しみを覚えるということが、この新型コロナを通して見えてきます。私たちが健康に生きていくには人との繋がりがとても大切なのです。繋がりという言葉は、聖書では「交わり」という言葉でよく表されていると思います。「交わり」は非常に大きなテーマとなるので、2回に渡ってお話ししたいと思います。今日は交わりを「関係、繋がり」という観点からお話します。来月は、パートナーシップ、具体的なもので支え合うという観点からお話します。

今日の3つのポイントは
1) 交わりは縦軸と横軸の関係
2) 私たちは神との関係、他の信徒との関係を育んでいかなければならない
3) コロナ禍でどのように交わりを持てばよいのか

1) 交わりは縦軸と横軸の関係
まず、交わりは繋がりです。聖書学者のJ. Hampton KeathleyⅢは「交わりは、イエスを通した神との関係を持って、日常の中で他の信徒と共に分かち合っていくことである。」と言っています。彼の考えはIヨハネ1章3節に表されています。「私たちの見たこと、聞いたことを、あなたがたにも伝えるのは、あなたがたも私たちと交わりを持つようになるためです。私たちの交わりとは、御父および御子イエス・キリストとの交わりです。」 この箇所で、私たちの神との垂直(縦軸)の関係と、他の信徒との水平(横軸)の関係が書かれています。

旧約聖書の中でどの戒めが最も大切かと聞かれて、マタイ22章37節~39節でイエスは、「心を尽くし、思いを尽くし、知力を尽くして、あなたの神である主を愛せよ。」が第一の最も大切な戒めだと答えます。第二の戒めも(繋がりという観点で)似ており、『あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ。』と教えています。つまり私たちは、神、そして他の人々と繋がりを持って生きていくように造られたのです。

しかし、神と人間同士の関係は人間の罪により壊れてしまいました。アダムとイブが神に背いてからずっと、人間は壊れた関係を背負ったまま、争い、憎しみ、血が流され、罪で汚れてしまいました。

イエスだけが私たちと神との関係を修復できるお方でした。Ⅱコリント5章17-18節でパウロはこう言っています。「だれでもキリストのうちにあるなら、その人は新しく造られた者です。古いものは過ぎ去って、見よ、すべてが新しくなりました。これらのことはすべて、神から出ているのです。神は、キリストによって、私たちをご自分と和解させ、また和解の務めを私たちに与えてくださいました。」
イエスは私たちと神との縦軸の関係を修復してくださり、今、私たちは神の子どもとされています。神の子どもとして、私たちは他の人とも和解しなければなりません。そして、キリストの下に一つの家族として兄弟姉妹となるのです。

さて、たとえこの神の家族の関係をすでに持っていたとしても、私たちはこの関係を更に深めていくか、そうしないかの選択が与えられています。家で一緒に暮らし、毎日顔を合わせることはできます。しかし時間を取ってお互いに話をしたり、話を聞き合うことを通して、その関係を深めようとしなければ表面的な関係のままです。

2)私たちは神との関係、他の信徒との関係を育んでいかなければならない
第2のポイントは、私たちは神との関係、そして他の信徒との関係を育まなければならない、です。ヨハネ15章でイエスは弟子たちに、イエスにどどまりなさい、そうしなければ、私たちの霊的な命は実を結ばないと教えています。「とどまる」とは「残ってそこにいること」、「その中で生きること」を意味しています。キリストのうちにとどまるとはどういう意味でしょうか。ヨハネ15章でイエスは、ぶどうの木、枝、実にたとえ、イエスにとどまることはイエスに繋がっていること、イエスに助けを求め、ゆだね、イエスの中にいることだと語っています。

具体的にはどうしたらよいのでしょうか。定期的にみことばを読み、日々イエスと話し、イエスに隠し事をせず、イエスに助けを求め、おゆだねし、イエスに従って生きることでイエスとの関係を育むことができます。

同様に、仲間の信徒との関係も成長させていかなくてはなりません。使徒の働き2章42節にあるように、ペテロと他の使徒たちによるリーダーシップのもとで、初代クリスチャンたちは「使徒たちの教えを堅く守り、交わりをし、パンを裂き、祈りをしていた。」とあります。

初代クリスチャンは交わりを大切にして実践していました。テサロニケ5章11節でパウロはテサロニケの教会に「ですから、あなたがたは、今しているとおり、互いに励まし合い、互いに徳を高め合いなさい。」と願いを述べています。初代クリスチャンたちは交わりを深めるために、時間を取って、会い、共に食事をして、共に礼拝を捧げ、祈っていました。

中には日曜日に教会に来ることが、既に大きな犠牲を払っていると感じている人もいるかもしれません。もし会社の上司に日曜出勤を命じられたら、上司に日曜日は働けないと言わなければなりません。「他のクリスチャンと本当にもっと時間を共に過ごさなくてはいけないのだろうか。忙しいのに自由な時間がなくなってしまうよ。」と疑問に感じることもあるかもしれません。
週で時間を取り分けるのは難しいかもしれません。週が無理なら月に一度ではどうですか。一般的に私たちの霊的な健康は、他の信徒との関係と深く結びついています。私自身の経験からこのことを確信しています。そして、私自身、他の信徒との交わりによって、クリスチャンとしてどんなに助けられたかわかりません。

最初に来日した時、OMFというキリスト教団体の宣教師と知り合いになるよう、マレーシアの私の教会が勧めてくれました。OMFは市川市で行われている月一度の祈り会へ私を招いてくれました。そこで出会った同年代のイギリス人の宣教師、リーバイは私の先輩になってくれ、私は彼に日本で暮らす上で大変なことなどを話すようになりました。すると彼も日本で同じような経験をしたことを話してくれ、慰められました。また彼の成熟したものの考え方から、日本で暮らす外国人の私の考え方を修正していく必要があることも教えられました。

リーバイとの関係が表面的なものから友情に深まるまでに時間はかかりました。最初、彼が家のパーティに私を呼んでくれて、その後、私が彼を家に呼んで、泊まってもらいました。リーバイは横浜に住んでいたので、年に2、3度しか会えませんでしたが、趣味のことや霊的な事柄も話し合えるのは楽しい一時でした。彼は最近、東京の錦糸町に引っ越して来たので、今は毎月、一緒に食事やジョギング、ゲームをやったり、ネットフリックスのドラマのことを話したり、宣教師の仕事の上で大変なことなどを分かち合っています。そして大体いつも最後に祈り合っています。

このようなクリスチャン同志の繋がりが私たちの教会においても広がっていってほしいと願っています。クリスチャン同志の繋がりはお互いを支え合い、霊的な考え方を広げてくれるからです。

3)コロナ禍でどのように交わりを持てばよいのか
新型コロナウィルスの危険が伴う中で、私たちはどのように一緒に過ごせばよいのでしょうか。最後のポイント、コロナ禍で交わりを持つにはどうしたらよいのかについて、いくつか提案をしていきたいと思います。

まず第一に電話があります。「元気?あなたのことを考えていたよ」とお互いにメールを送ってもよいでしょう。いつ電話して話すか前もって約束しておくのも一つです。そしてお互い遠慮せずに「あなたの祈りの課題を教えてください」と尋ね合ってみましょう。

第二に、十分に安全対策をした上で、直接顔を合わせて過ごすことも可能だと思います。もし人数が少なく、安全対策をしっかり行えば、顔を合わせて交わりを持てると思います。近くに住んでいるのなら、玄関先で10分立ち話ならできるのではないですか。屋内で食事をするのは避けた方がよいでしょうが、屋外で一緒に食事するのは大丈夫ではないでしょうか。

先日、ズームで交わりを持っているシンガポール人のエイミーがアウトドアランチを企画してくれ、私たち夫婦や数人の信徒で集まりました。エイミーは集まりを催したいとずっと考えてくれていたようなのですが、感染リスクが気になっていました。それで、彼女の家の玄関前のスペースで皆でランチするというアイデアを思いついたのです。感染リスクを避けて、食事は距離を取って別々に食べてから、マスクを着けておしゃべりしました。トイレは、近くのリサイクルショップのトイレを使いました。このようにして4時間、一緒に楽しい時を過ごすことができました。

第三の提案は、オンラインミーティングです。例えば、エイミーの家の集まりはオンラインミーティングを6か月続けてきたグループです。私はこのオンライン(ズーム)の交わりを毎週日曜の朝9時半から主催しています。最初はIBFの英語を話すメンバーのための交わりをと考えていたのですが、現在参加者の半数は感染リスクを避け、教会に行っていないクリスチャンです。この集まりでは、一人が5分から15分のメッセージをした後、その内容に関する質問を通して更に深く考えます。その後、参加者はそれぞれの考えを分かち合い、最後は祈りの課題を述べ合い、祈り合います。

数週間前に、私はあつこさんをこのオンラインの交わりに誘いました。私はエレナのお母さんにゲストスピーカーとして短いメッセージをしてくれるように頼んでいました。このミーティングの後、あつこさんはこう感想を言ってくれました。「私が大好きな聖書箇所ヨハネ15章からクンハンさんがメッセージをしてくれたので、励ましを受けました。そしてイエスに繋がることがどんなに大切なことかを改めて感じることができました。木の枝に繋がったたくさんの実ったぶどうの写真をクンハンさんが見せてくれ、そのように私たちが主に繋がってほしいと主が願っておられることを視覚的に捉えることができました。また、たとえ外国にいても繋がることを可能とするインターネットは本当にすごいと思いました。4人の小グループに分かれての時間もあり、そこでお互いに分かち合い、祈り合うことができたのもよかったです。オンラインのクリスチャンの交わりは初めてだったので、テンションが上がり、励まされました。」

電話やiPadで、このような集まりにほんの数秒で参加できます。私は70代、80代の生徒さんにスマホでのズームの使い方を教えて、英会話のレッスンをしています。ズームのようなアプリで簡単にオンラインで画面越しに会うことができます。このような交わりを持つために特別なトレーニングや知識は必要ありません。
特別なプログラムや準備などしなくても普段のようにおしゃべりし、共に祈ることができます。聖書を共に読むこともできるでしょう。毎月第1、第3金曜日の夜にはズームで英語でのバイブルスタディを主催しています。話し合うためのテキストを使いながら、今はちょうどヤコブ書の学びを始めたところです。参加者はフランツさん、なぎささん、たいがさんなど大半はIBFの方で、ジョイアンもアイルランドから参加してくれたこともあります。

もし、オンライングループに興味があれば、是非私のズームでの集まりに参加してみてください。ズームで集まりを主催する方法を知りたい方がいれば、日本語でやり方をご説明します。

コロナ禍だからといって、お互い支え合っていくことを止めなくてよいのです。この困難の中で私たちは今まで以上にお互いを必要としています。

結び
私たちの交わりで最も大切なものは、イエスを通しての造り主なる神との繋がりです。神との繋がりから、私たちは仲間である信徒たちと繋がりたいという求めが流れ出てきます。
友情や恋人関係と同じように、交わりにおいてお互いを思い合って、心を開いて話し合っていくことが大切です。また、その関係にコミットして、成長させていくには時間がかかります。でもコロナ禍においてさえも、神は関係を成長させてくださいますから、神をほめたたえましょう。お祈りします。

交わり_関係、繋がり