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 教会は安定期になると伝道のヴィジョンを忘れてしまうことがある。その結果、教会は高齢化になり、閉鎖の危機に立たされることとなる。今回の研修の内容に多いに共感を覚える時となった。一緒に参加された勝俣師がまとめた内容を一部抜粋して添付することにする。皆さんで教会の活性化と開拓伝道のビジョンを共有していきたいと願う。

開拓講義1
 ◆教会の目的

◎教会が宣教より、交わり、プログラム、組織的安定などを優先してしまうと成長しない!!
◆教会は人間と似ている
 誕生があり死がある。・・・聖霊による刷新がなければ死んでしまう。
 例)隣の人と似ているところはどこ?
 ↓
 教会も一つひとつが違う。しかし、健全な教会には普遍的な共通点がある。
 それは、イエス様の大宣教命令に従っている点。
 健全な教会は内向きな、安定指向ではなく、コミュニティーを変えていく働きをする。
 ➡それがもともとの使命
 新約時代、新しい教会から憐みが解き放たれていった。
 所有物を共有し、空腹の人が満たされ、神の善が流れ出した。
 「良き行い」→「人々からの好意」→「福音を分かち合うことに」
開拓教会を送り出す教会は、より健全になり、多くの益を受ける。
 そして地域で、キリストのために、より大きな影響力をもつようになる。
★健全な教会が見つめているのは、神の御国の奪還・再建・拡大であって、教会の内向きな安定や心地よさではない。
例)日本人の1%弱しか生殖できない病気にかかってしまったとしたらどうする?
 ➡問題の究明と対策に必死にならなければ、消えてなくなる。
 生命にとって生殖は自然なことであるように、教会にとって教会を生み出すことは自然なこと。
統計から言えば、クリスチャン人口を今と同じ状態に維持するだけでも、最低3%の開
 拓をしていかなければならない。100個の教会からなる教団であれば、自然消滅を考
 慮して、3つの教会を開拓しないといけない。成長するためには5%、繁栄していくた
 めには10%の開拓が必要。
例)アイスホッケーのオリンピック選手は、12歳の時も、8歳の時も、5歳の時も、アイ
 スホッケーの練習をしていた。・・・次の世代を育て続けてきた結果、強い選手とチー
 ムが育成される。
 ➡ 教会も、子どもを育て、次のリーダーを育てていく。
 個性を大事に適材適所で伸ばしていく。
 目的は、神の御国チームを次々と派遣し、悪魔の支配を打ち破っていくこと。
 ◎牧師が、自分の充実、成功、名誉、プライドのために、安定指向の教会形成になってはいないか。
◆大宣教命令
 これは、「できれば、時々、少しだけでもやればいい」というイエス様からのサジェスチョンではなく、イエス様の命令である。
◆開拓された新しい教会の特徴
 1,新しい教会は、より多くの回心者を生み出す力をもつ
 2.新しい教会は、新しい民族に届く力をもっている
 3.新しい教会は、新しい世代に届く力をもっている
活性化講義1
 ◆事例研究よりWenrich師
ASSESSMENT:問題が起こった時、アセスメント(分析・評価)が大切
牧師が、前に進むことだけを考え古くからの教会員が失うものについて考えていない。
 変化していくことばかりに関わっている。
 新しい変化を指導していくことは大事だが、喪失について対峙することが大事
RECOMMENDATION:勧め、勧告
 喪失感について、教会員から聞く機会をもつ大切さ
 →そして次に、成長のビジョンを伝えること
 事例において、
 「かつて、この教会が宣教に燃えていた時代のことを聞かせてください」と尋ねる機会
 ➡信頼関係を築く
〇バルコニースペースの大事さ
 物事に、瞬間的・感情的に反応するのではなく、聖霊がなさろうとすることに明け渡す。今まで、導かれてきたことを客観的に話し合ってみる。
 ↓
 喧嘩状態とは違って、聖霊に明け渡す時、今までの導きを俯瞰して見ることができる。不安よりも感謝に!
 ヤコブ3;17-18  上からの知恵…平和、優しさ、協調性
 コロサイ3:12-17 神に選ばれた者として…愛されている者、深い慈悲の心、親切
 謙遜、柔和、寛容
◆問題解決方法
 テクニカル(技術型)  と   アダプティッド(適応型)
 Problem  問題          Pain  痛み
 Assessment 評価        + Possibly 可能性
 Decide 決断    変 化
 Solution 解決策 無秩序な状態
 外部からの助けを求める状態
※前進すべき課題に対して、その力がないと思われる時は、根っこに適応型課題が与えられる。解決策のアプローチを見誤ると、問題を深刻化させてしまう。
開拓講義2
 なぜ教会を開拓するのか Alex師
◆教会論の前に宣教論
 教会論の前に宣教論がなくてはいけない。宣教があって教会がある
 福音と良き行いの二つの翼が大切
 福音がなければ、どんなに良い行いがあっても人を変えることはできず、良い親切な人で終わってしまう。
◆教会開拓に対してよくある質問
 (1)「消えゆく教会を救え」シンドローム
 弱った教会を救うことが先決と考え、開拓の使命を失ってしまう。
(2)すでに届いているという誤った観念
 教会が古くなると、新しい世代には届かなくなる。
(3)プロフェッショナル教会シンドローム
 神学校卒業生だけが伝道できるという考え
(4)教区教会の考え方
 ヨーロッパ独特・・・一つの町に一つの教会で十分
(5)大型教会の考え方
 大きな教会こそが伝道できる。小さな教会には伝道はできないという思い込み。
◆イエスが与えた4つの宣教に関する命令
 1.私たちは遣わされている
 ヨハネ20:21
 父がわたしを遣わしたように、わたしもあなたがたを遣わします。
2.あらゆる種類の人々のもとへ・・・色々な種類の教会が必要である
 マタイ28:18-20
3.メッセージをもって
 ルカ24:46-18 あなたがたは、これらのことの証人です。
4.聖霊に力を与えられて
 使徒1:8
