彼らが主を礼拝し、断食していると、聖霊が、「バルナバとサウロをわたしのために聖別して、わたしが召した任務につかせなさい」と言われた。そこで彼らは、断食と祈りをして、ふたりの上に手を置いてから送り出した。 使徒の働き13章2-3節
2017年3月22日から31日まで、日本聖契キリスト教団伝道委員会の主催で、デトロイト教会訪問ツアーを実施することができた。宮本俊一・正子宣教師がデトロイトで日本人伝道をはじめて7年目になる。初めは派遣された教会の準備不足もあって困難なひと時を通ったようであるが、現在はフェイスカベナント教会の協力をえて、実りある働きを継続しておられる。今回は宮本先生ご夫妻の働きを見学し、日本人への伝道のあり方を学び、先生の経済的なサポートの一端を担う目的をもった研修ツアーとなった。企画は東京ライフチャーチとインタナショナルバイブルフェローシップ(IBF)の2教会が中心となり、教団からプロジェクト制での支援を得て、4団体にも招待を送れるツアーになった。その結果、上記の2教会以外には、2人が福音自由教会から、また2人が他教団から参加された。ホームステイの機会が与えられたこともあり、年齢も小学生、高校生、大学生を含んだバランスが取れた合計13名のチームになった。また、デトロイトで3家族がクリスチャンになり、日本に帰国するそのような特別な時期とも重なり、何人かアメリカで信仰をもたれた方々との交流の機会ともなった。
チームで伝道を進める、このことがデトロイトでの日本人伝道への成功のカギであるように思えた。主任牧師のケン牧師、協力牧師のデニス牧師、ユース牧師や看護スタッフが、宮本先生の働きの重要性をよく理解し、よくサポートしておられる。また、教会員のサポートが豊である。英語クラスのボランティアの先生方も愛に溢れ、駐在員家族の特異な環境で孤独に陥りやすい日本人の婦人方との交わりやサポートを楽しんでおられる。英語も十分でない中、子育てや小学校での子供の対応を迫られるお母様方の精神的な負担はどのようなものであるか、想像してほしい。何年かの滞在の後帰国される家族が、たとえ信仰に導かれなくても、新しく赴任する家族に教会に行かれることを勧める、そのように日本人に愛される教会がアメリカでいくつも起こされている。
宮本先生支援のためにオークションをするとの企画があることを前もって知らされて、日本から多くの珍しいものを持参してほしいとのリクエストに応えて、IBFの一人の参加者がお土産の献品を申し出て下さった。その結果、多くのお土産が何人かのスースケースにつめられ、デトロイトに持参され、オークションに出品された。持参したお土産と共に、現地の方々が工夫して造られたケーキが高値で売れていく、それらの金額にも驚かされた。100名以上の方々が宮本師ご夫妻の宣教の働きを応援するために集う、本当に楽しいオークションと食事の集いとなった。
加えて、ケンタッキーに完成したばかりのノアの箱舟の見学も企画してくださり、シカゴから来られた日本人の家族と一緒になって、箱舟内に展示されている伝道的なメッセージやテーマの豊かさを肌で触れることができた。アメリカで活躍されている日本人のクリスチャンの方々との交流が与えられたことも感謝なことであった。
結論として、アメリカでの日本人への伝道は現地のクリスチャンの協力が不可欠である。宮本先生や蛭沼先生、およびコーナーストーン教会の方々ともこれからも協力して、日本から教会研修ツアーなどを送ることができたら、有意義であることを指摘しておきたい。さらに、いかにして良い協力関係をアメリカの教会との間で築くことができるか、それらを理解し協力していける日本人の牧師や信徒が増えていくことが、これからの海外宣教に求められることではないかと思う。